予定変更。ハセガワ完全新規金型の軽巡洋艦「天龍」

前回の最後で「雪風」「天津風」の予告を出しましたが、予定変更で今回の更新はハセガワの完全新規金型による1/700フフ怖さん天龍です。
なお、ブログ主は過去に熱射病でぶっ倒れて後遺症が残った為に自力制作はガンプラパチ組みレベルが限界で、保有しているキットはオークションで落札、或いは制作代行依頼を出して作って頂いたものとなりますことを予めお断りさせて頂きます。

WLシリーズでは42年前に発売された「天龍」「龍田」が遂にリニューアル。
ぶっちゃけこの情報を聞いて我が耳を疑った艦艇モデラーも多いのではないでしょうか……。
数年前なら「妄想乙」で済まされてしまいそうなリニューアルですが、これも間違いなく艦これ効果による艦艇模型の需要増大が背景にあると思います。

「天龍」型は八八艦隊計画における水雷戦隊旗艦(嚮導艦)や艦隊のワークホースを目的として建造された基準排水量3230トンの日本海軍初の近代的軽巡洋艦です。
天龍右舷全体天龍左舷全体
天龍全体天龍俯瞰図
「天龍」全体図。

全体としては同時期に計画が進んでいた「磯風」型駆逐艦の拡大型と呼べるもので、兵装配置は同艦を元にしたものとなっており、機関も磯風型で採用されていたものを3セット3軸(磯風型は2セット2軸)で搭載、最大速力33ノットを得ました。
砲力は14センチ単装砲4基の砲力は当時としても強力とは呼べないもので、さらに艦これでは天龍の「世界水準軽く超えてるからな」という発言があり、軽巡洋艦の中では最も低い性能である事と合わせてネタ台詞と化した感があります。
しかし「天龍」型の真価はその雷撃力と速度にあり、軽巡洋艦として30ノットを超えた世界初の艦であること、魚雷斉射能力が片舷6射線という当時の平均的な駆逐艦と同等以上の雷撃力の点で正しく「世界水準を軽く超えていた」のです。

天龍左舷中央部天龍後部発射管
天龍に装備された53.3cm三連装発射管。当初はレールの上に発射管を装備し、雷撃時に舷側へ移動させる方式を採用していました。
しかし実用上の不備が大きかった事、魚雷の強度改善により高所からの発射が可能となった事で魚雷発射管の装備位置を高める事が可能となり、中心線装備で固定されました。
左右両舷に2基ずつ装備された25mm連装機銃と艦尾甲板に装備された8cm(実口径7.6cm)単装高角砲1門が対空兵装の全てとなります。

なお速度に関しては英大型軽巡フューリアス及びカレイジャス級が天龍型就役以前に30ノットを超えてはいますが、これらの艦は常備排水量で2万トン近い「大型軽巡洋艦」であり、一般的な「軽巡洋艦」とは全く異なる目的で建造されている為、例外となります。
魚雷兵装に関しては近代的軽巡洋艦の始祖と言われる英「アリシューザ」級で53.3cm連装2基であり、しかも両舷配置の為片舷では2門と天龍型の1/3でしかありません。
天龍より1年前に完成した5000トンの「ダナイー」級でようやく53.3cm3連装4基(片舷2基)となりますが、同艦の速力は29ノットと33ノットの天龍型には及びませんでした。
天龍型は本質的には高速力と雷撃力を兼ね備えた「魚雷戦巡洋艦」とでも呼ぶべき存在だと言えるでしょう。

天龍の艦橋。リニューアル前のハセガワ「天龍」は艦橋形状が全然違うとモデラーから酷評されていましたが、リニューアル「天龍」は「龍田」との差異も含め再現度は桁違いとなっています(「龍田」も製作依頼中)。
天龍艦橋天龍艦橋後方
艦橋内部も一部再現されています。

天龍艦首天龍
天龍艦首。艦橋がかなり前よりに設置されていて、正艦首方向への砲撃力が1門しか確保出来ていない事が判ります。
同時期のドイツ小型巡洋艦(軽巡洋艦のドイツ海軍呼称)では艦首甲板へ並列に砲を装備する事で正艦首方向への火力を増加させたりしていますが、天龍型は主砲と魚雷発射管を全て中心線配置としています。
また天龍型の特徴として艦橋の真後ろに2番主砲が配置されている事があげられます。

天龍艦尾天龍後部兵装配置
艦尾付近の兵装配置。3、4番主砲が背中合わせに装備されています。
艦尾から伸びる2本の軌条は爆雷用ではなく連携機雷と呼ばれた1号機雷用で、昭和に入って使用されなくなりましたが軌条は残されていました。

以上、完全新規金型で発売されたハセガワ「天龍」でした。
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過去記事「練習巡洋艦鹿島」の写真追加&加筆のお知らせ。

本文に若干の加筆の上、写真を追加した記事を報告。

こちらになります。

練習巡洋艦「鹿島」の紹介記事ですが、艦これに香取実装を記念&2、3番艦実装を祈念して……。
宜しければご覧ください。

漣&島風

今回は駆逐艦2隻、ほぼ世界初と言って良い外洋行動能力を獲得した特型駆逐艦の19番艦(特Ⅱ型)の「漣」、そして特型駆逐艦から発展した日本海軍の雷撃戦用駆逐艦の究極型である「島風」です。
なお、ブログ主は過去に熱射病でぶっ倒れて後遺症が残った為に自力制作はガンプラパチ組みレベルが限界で、保有しているキットはオークションで落札、或いは制作代行依頼を出して作って頂いたものとなりますことを予めお断りさせて頂きます。

まずは特型駆逐艦「漣」。
艦これでは僚艦「朧」「曙」「潮」と共に第七駆逐隊を再現している「漣」ですが、昭和7~14年までは「狭霧」「暁」と共に第十駆逐隊を編成しており、模型はその時代のものとなります(艦首の「10」は第十駆逐隊所属を表す)。
漣全体1漣全体2漣全体3

砲熕兵装として艦首に三年式12.7センチ連装砲1基、艦尾に2基というスタイルは初春型、白露型を除く艦隊型駆逐艦に引き継がれており、日本海軍艦隊型駆逐艦の標準兵装と言えるものです。
また、主砲は特Ⅰ型のA型砲塔からB型砲塔へ変更されています。
違いはA型の砲身が軽量化の為に個別俯仰出来なかったのに対し、重量増加を忍んで個別俯仰が可能とした事(A型砲塔25.4トン、B型砲塔32トン)と最大仰角を40>75度へと変更して対空射撃を可能とした事です。
漣艦首
対空射撃を可能にしたとはいえ、実際には再装填の為には砲身を水平に戻す必要がある事、有効な対空射撃指揮装置を持たなかった事から両用砲とまでは呼べないものでした。
とはいえ駆逐艦の主砲に対空射撃能力を持たせようとしたのは世界的に見てもかなり早い時期であり、航空機の性能面から見ても当時としては妥当かつ画期的なものであった事は間違いないでしょう。

魚雷発射管は61センチ3連装発射管3基、予備魚雷を持つものの次発装填装置はまだ開発されておらず、再装填にはかなりの時間が掛かりました。
漣中央部
二番煙突右舷側にある小さな箱型のものが予備魚雷格納筒で、ここから魚雷を引き出して台車に載せて魚雷発射管へ再装填します。
各所に分散して予備魚雷が搭載されていて、数値上の雷撃能力は9×2となりますが、実戦運用では予備魚雷を戦場で再装填した特型は確認されていません。
1941年頃の使用魚雷は90式魚雷で、93式(酸素)魚雷の運用能力は持っていません。
ただし戦時中に1944年頃に残存していた特型の一部には93式(酸素)魚雷の運用能力が付与されたという説もあります。

漣の艦尾。
漣艦尾
既に戦前から艦尾には爆雷投射機と爆雷投下軌条を備えており、上で書いた主砲への対空射撃能力の付与と共に対空・対潜能力を決して軽視していた訳ではない事が伺えます。


続いては最後の艦隊型(魚雷戦用)駆逐艦、日本海軍最速を誇った「島風」です。
通常の計測条件より軽めの状態とはいえ、公試での最大速度は40.9ノットを記録し先代「島風」が持つ日本記録を塗り替えました。
良く勘違いされるのですが、島風の高速力は敵艦隊に突撃する為のものではありません。
この高速力は酸素魚雷の実用化によって考案された統制魚雷戦を実施する為に要求されたもので、敵艦隊を包囲する為に外側から大きく回り込む為に必要とされたものです。
加えて5連装3基15射線という強力な雷撃力は統制魚雷戦において1個水雷戦隊で必要な射線数を賄う為に求められました。
戦前の統制魚雷戦は最低200射線以上の魚雷によって敵艦隊に「網を掛ける」ような雷撃戦術で、敵艦隊が取ると予想され得る回避範囲全てに一定距離を置いて魚雷をばら撒くと言う、必中を狙うのではなく確率による命中を期待する戦法です。
従来艦は8~9射線で1個水雷戦隊16隻で旗艦の軽巡洋艦を加えても132~148本の魚雷が限度で、所要数を満たすには2個水雷戦隊が必要となります。
が、本来予定された「島風」型16隻+改阿賀野型による水雷戦隊では16×15+8で248本もの発射本数を持つこととなり、1個水雷戦隊で所要数を満たす事が出来るようになる筈でした。
しかし戦局の悪化により「島風」型の量産計画は断念され、試作艦1隻のみの建造で終わる事となりました。
模型は1944年、オルモックへの輸送作戦に従事する「島風」を再現したもので、同艦はこの作戦で撃沈された為に最終時の姿でもあります。

全体像から。
島風全体1島風全体2島風全体3
魚雷発射管が3連装から5連装となり、主砲がB型砲塔からD型砲塔へ、さらに機銃が増備されているという違いはありますが、基本的なレイアウトは「漣」と殆ど同一であることが判ります。
特に側面から見た場合はその傾向が顕著です。

島風艦首付近。
島風艦首艦橋付近
艦橋前に25ミリ3連装機銃の銃座が設置され、マスト中段に22号対水上電探が装備されています。
さらに従来の日本駆逐艦にはなかった遮風装置が装備されており、「漣」と比べてかなりごつくなった印象を受けます。

島風中央部。
島風中央部
本艦の為に開発された零式5連装発射管が大きな存在感を放っています。
第二煙突両舷と2、3番連管(魚雷発射管の事)の間に25ミリ3連装機銃の銃座が設けられていて3連装機銃は艦橋前と合わせて5基15丁を装備、後部マストには対空用の13号電探が装備されています。

島風艦尾付近。
島風艦尾島風艦尾爆雷兵装
爆雷兵装は前述の「漣」と殆ど変わりません。
主砲の配置も同一で、艦尾付近の画像だけでは「漣」か「島風」かを判別するのはかなり難しいと思います。

最後に「漣」と「島風」を並べて撮った写真を5枚。
計画年度が大きく違う「漣」と「島風」ですが、外見は相当に似通っているのが判ると思います。
島風と漣1島風と漣2島風と漣3
島風と漣4島風と漣5

以上、「漣」と「島風」でした。
次回は陽炎型駆逐艦「雪風」と「天津風」を取り上げる予定。
「雪風」は天一号作戦時で対空機銃を大幅に強化した姿を、「天津風」は艦橋前に機銃座を増設した状態の姿となります。
加えて両者は製作依頼を別個に出しており、基本的なディティールアップ&エッチングパーツを使用した「雪風」とエッチングパーツを含めさらに徹底的にディティールアップした「天津風」でベースキットがほぼ同じ(両方とも艦これ仕様のキットを使用しています)でこういう違いが出ます、というのをやりたいと思います。
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