阿賀野型軽巡洋艦「阿賀野」

ブログ主は過去に熱射病でぶっ倒れて後遺症が残った為に自力制作はガンプラパチ組みレベルが限界で、保有しているキットはオークションで落札、或いは制作代行依頼を出して作って頂いたものとなりますことを予めお断りさせて頂きます。

今回の更新は阿賀野型軽巡洋艦だらし姉こと「阿賀野」です。
模型は竣工時を再現したもので、対空兵装の増備が行われる前のすっきりとした姿となっています。

「阿賀野」型軽巡洋艦は軍縮条約の締結によって建造がストップしていた本来の「軽巡洋艦」です。
条約下において名目上「二等(軽)巡洋艦」として建造された「最上」型や「利根」型は目的が明確に異なりますので本来の軽巡洋艦の系譜とは別物となります。
大正時代に日本最初の近代的軽巡洋艦として建造された「天龍」型2隻、3クラス14隻もの量産が行われた5500トン型、試験艦として建造された「夕張」と大正末期~昭和初期にかけて日本海軍は質量共に充分な軽巡戦力を保有していました。
しかし1930年代に入るとこれらの軽巡洋艦も次第に老朽化し始め、性能面でも速度低下等により新型駆逐艦を主体とした水雷戦隊の旗艦としては性能不足が目立ち始めます。
そんな中で軍縮条約の更新を拒否した日本海軍は水雷戦隊旗艦としての軽巡洋艦を計画し、これが「阿賀野」型として完成する事となります。

「阿賀野」全体。
阿賀野全体1阿賀野全体2阿賀野全体3
連装主砲を艦首側に2基、艦尾側に1基を搭載し煙突後方から後部マストの間が航空関係設備となっています。
個人的には日本海軍が建造した艦艇の中でも際立ってスマートかつ流麗な艦容を持っていると思います。

「阿賀野」艦首。
阿賀野艦首1
日本海軍の巡洋艦に共通する細長い船体である事が一目瞭然です。
ウォーターラインの為に艦首水面下の形状は判りませんが、実艦は艦首下部が若干膨らんだ小型のバルバス・バウを採用していました。
主砲は41年式50口径15.2cm連装砲、元は「金剛」型などが装備していた副砲と同じ砲を連装砲架に載せたものです。
元々この砲は砲弾重量が重くて日本人の体格に合わないとされ、50口径14cm砲の開発・採用によって置き換えられた経緯がありました。
一応電力と油圧を利用した半自動揚弾&装填機構を採用して砲員の負担を軽減してはいますが旧式砲である事に変りはなく、威力は兎も角として新鋭軽巡に搭載する砲としては聊か疑問が残るものであった事は間違いありません。
本来ならば大和型戦艦の副砲であった3年式60口径15.5cm三連装砲を採用したかったようですが、排水量の関係で搭載する事が出来ず急遽この砲を採用したようです。

「阿賀野」中央部。
阿賀野中央部
艦橋から煙突、航空作業甲板まで。
艦橋下部の舷側に装備しているのは98式8cm(実口径7.62cm、3インチ)連装高角砲、艦橋前には96式25mm三連装機銃で、竣工時の対空兵装はこれしかありませんでした。

「阿賀野」艦尾。
阿賀野艦尾1阿賀野艦尾2
対空火力の増強前なので艦尾も極めてシンプルなものとなっています。
3番主砲の後ろにあるのは装填演習装置で、高角砲弾等の装填訓練を行う為のものです。
後部マストは水上偵察機揚収用のクレーンと一緒に装備されています。
対潜兵装である爆雷は搭載していますが爆雷投射機は装備されておらず、固定式の爆雷投下台からの投下用となっています。

「阿賀野」艦橋。
阿賀野艦橋
「最上」型や「利根」型の艦橋を縮小したような艦橋構造となっており、竣工時の為電探や機銃の増備がなされておらずシンプルかつスマートな姿です。
艦橋トップにあるアンテナは方位測定用のループアンテナです。

「阿賀野」航空艤装&雷装。
阿賀野航空艤装1阿賀野航空艤装2阿賀野航空艤装3
水雷戦隊旗艦としての偵察任務を果たすため「阿賀野」型は水上偵察機2機を搭載、射出機1基を装備しています。
5500トン型は一部の艦が射出機を装備し水上偵察機を搭載していましたが、基本的には射出機の上に載せておくだけで整備作業を行う航空作業甲板がありませんでした。
「阿賀野」型はこの点が大きく改善され、2機を一緒に駐機出来るだけのスペースを持つ航空作業甲板が設置されています。
水上偵察機用の予備部品はこの航空作業甲板と隣接する煙突の周囲に収容スペースが設けられており、写真でも予備の主翼やフロートがあちこちに分散収容されているのが判ると思います。
「阿賀野」型の特色である極めて強力な魚雷兵装もこの周囲に配置されており、射出機の下には2番発射管(92式4連装発射管、61cm酸素魚雷用)が見えます。
1番発射管は航空作業甲板の下に装備されていて、1番発射管と2番発射管の間には両発射管への次発装填装置が設置されています(航空作業甲板の下は殆ど見えませんが……)。
6000トンを超えるような艦で魚雷発射管を中心線上の配置した例は極めて珍しく、恐らく世界的に見ても「阿賀野」型だけではないでしょうか。
これは当時整備されつつあった甲型駆逐艦(陽炎型、夕雲型)と同様の雷装となっています。

このように「阿賀野」は水雷戦隊旗艦として求められる性能をほぼ満たして1942年10月末に完成しました。
しかしながら完成した時には水雷戦隊が敵艦隊に対し大規模な魚雷攻撃を行うような戦闘はほぼ起こりえず、対空兵装の貧弱な「阿賀野」型は既に時代遅れの艦となってしまったのです。
「阿賀野」型はあまりにも魚雷戦に特化した艦であり、戦闘の変化に対応しきれませんでした。
「阿賀野」は昭和19年2月16日に米潜水艦「スケート」の雷撃を受け右舷に2本が命中、必死の救難作業を行うも翌17日に力尽き、その姿を洋上から消しました。

「阿賀野」型軽巡1番艦「阿賀野」でした。

次回は「吹雪」「大淀(ネットSS用魔改造)」「地球連邦軍61式戦車+α」の何れかで更新の予定。
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スマートな

>>個人的には日本海軍が建造した艦艇の中でも際立ってスマートかつ流麗な艦容を持っていると思います

艦これのくにっと掴めそうな脇腹は捏造なんですね(迫真

本来は

阿賀野型は全艦バルジ増設等の改装は受けていない(実施する暇もなかった)ので、みんなスマートな筈なんですけどねw
阿賀野のお肉は少なくとも実艦に基づいたものではないと思います、はい。
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大隅4001

Author:大隅4001
艦こ関係模型やフィギュア中心のブログです。

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