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初春型駆逐艦「初春」

ブログ主は過去に熱射病でぶっ倒れて後遺症が残った為に自力制作はガンプラパチ組みレベルが限界で、保有しているキットはオークションで落札、或いは制作代行依頼を出して作って頂いたものとなりますことを予めお断りさせて頂きます。

今回の更新は初春型駆逐艦「初春」です。
特型駆逐艦がロンドン海軍軍縮条約における制限(備砲は55.1インチ以下。排水量は600トンを超え1850トン以下。1500トンを超える艦は合計排水量の16%)によって24隻で建造が終了、条約の制限内で新たに建造されたのが1400トンの「初春」型駆逐艦です。
……とはいえ特型駆逐艦(1680トン)の兵装を主砲1門減の5門とし魚雷発射管は3連装3基と同等、その上特型には無かった魚雷次発装填装置を装備して最大速力36.5ノットを発揮するという要求をクリアしようと思考錯誤した結果、重大なトップヘビーと復元性能の著しい不足を引き起こしてしまいます。
結果、兵装の軽減と復元性能改善の為に大改装を行わざるを得なくなり、砲は連装2基と単装1基で5門と変わらないものの、魚雷発射管は3連装2基(次発装填装置付)となり、排水量は1700トンとなった上に最大速度も33ノットへ低下してしまいます。

まずこの性能改善工事後の姿を。
キットはタカラ世界の艦船シリーズ5にラインナップされていたものとなります。
駆逐艦初春全体1駆逐艦初春全体2
駆逐艦初春全体3駆逐艦初春全体4
駆逐艦初春全体5
全体的な配置は日本駆逐艦のお馴染みとなったもので、後部主砲が背負い式ではなく背中合わせとなっている点が目立つ程度でしょうか。

艦首。
駆逐艦初春艦首1駆逐艦初春艦首2
艦橋形状が角型となっているのが他の日本駆逐艦との違いでしょうか。

中央部。
駆逐艦初春中央部
魚雷発射管は3連装2基。
この為雷撃力は次発装填装置を装備しているとはいえ特型の2/3に過ぎません。

艦尾。
駆逐艦初春艦尾1駆逐艦初春艦尾2
94式爆雷投射機1基と爆雷投下台6基を装備。
後部主砲が平面配置で背中合わせになっているのが判ると思います。



そして復元性能不良とトップヘビーという大問題を露呈した竣工時の「初春」とはどのような姿だったのか?
下はその竣工時の「初春」です。
駆逐艦初春竣工時全体1駆逐艦初春竣工時全体2
駆逐艦初春竣工時全体3駆逐艦初春竣工時全体4
駆逐艦初春竣工時全体5駆逐艦初春竣工時全体6
性能改善工事後の姿とまったく異なる、言われなければ同じ艦とは思えない姿をしていた事が一目瞭然です。
艦橋前に背負い式に配置された主砲は見るからに重心点が高い事を思わせ、魚雷発射管3基と各発射管に次発装填装置を装備する為にかなりの無理をしている事が判ると思います。
特に魚雷発射管は中央の1基を除いて配置上の問題から一番発射管を左舷に、三番発射管を右舷にシフトして装備せざるをえませんでした。

艦首。
駆逐艦初春竣工時艦首1駆逐艦初春竣工時艦首2駆逐艦初春竣工時艦首3
艦首側に背負い式に配置された主砲は後年「秋月」型でも採用されましたが、排水量に余裕がない「初春」では見るからに不安定な印象を与えます。

中央部。
駆逐艦初春竣工時中央部1駆逐艦初春竣工時中央部2
魚雷発射管3基を装備する為にかなりの無茶をしているのが写真からも判ると思います。
特に三番発射管は二番発射管の次発装填装置の上に載せるという無茶をしています。

艦尾。
駆逐艦初春竣工時艦尾1駆逐艦初春竣工時艦尾2
艦尾部分は他の日本駆逐艦と殆ど変りません。
しかし三番主砲の真後ろにある後部構造物の上に三番発射管用の次発装填装置が僅かにはみ出ているなど、配置に相当な無理をしている事が見て取れます。

「初春」型は兵力整備の理想を設計者に押し付け、無理無茶を押し通した結果大失敗となって性能改善工事を余儀なくされました。
補助艦艇の制限によって対米戦力の構築が一気に難しくなった事に対する危機感が引き起こしたものですが、技術的限界を超えて理想を実現する事は出来ないと言う冷厳な事実を用兵側に突き付けた事例とも言えるでしょう。

次回更新は駆逐艦「綾波」、「ROBOT魂ジムスナイパーカスタム」、「METAL ROBOT魂EX-Sガンダムα任務部隊」のどれかの予定。

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No title

いつも更新楽しく拝見しております、今回の駆逐艦初春ですが。
竣工当時はこんな無理をしていたんですね…友鶴に負けず劣らずですか。
軍艦も船舶であるという基本から逸脱すると、やはりとんでもないことになるんですねえ。

逆に改修後は古いながらもよく戦った駆逐艦だったそうですが。
米英のカウンターパートに相当する駆逐艦はどうだったのでしょうね。
今回も分かりやすい形での解説、有難う御座います。

余談ながら2202、第三章でいよいよ円盤売上が2199の半分近くに落ち込んだそうです。
装輪装甲車(改)よろしく誰かサパっと介錯してあげたほうが…と時に。

今年からコメントをさせて頂きましたが、本年一年お世話になりました。
来年の更新も楽しみにお待ちしております、どうか良いお年をお迎えください。

No title

軍縮条約という縛りの中、本来主力艦の数量不足を埋める最重要存在として巡洋艦と駆逐艦の整備が重要でしたからね>初春型竣工時
とはいえ技術的裏付けのないままに重兵装の艦を建造した結果が友鶴事件や強度不足に跳ね返ってきた訳ですが。
米駆逐艦は平甲板型以降、基本フレッチャー級やサムナー級まで戦時改装を含めトップヘビーの傾向が強く出ています。
戦後日本に貸与された旧艦隊型駆逐艦(リヴァモア級とフレッチャー級)は日本回航後に復元性能改善工事を実施していますし。
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大隅4001

Author:大隅4001
艦こ関係模型やフィギュア中心のブログです。

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