かつての乗艦
今回の更新はかれこれ20年近く前、ブログ主が実際に乗艦・勤務していたフネでございます。


海上自衛隊みうら型輸送艦「さつま」
キット:ピットロード「海上自衛隊輸送艦みうら」(コンパチキットで全艦製作可能)
製作:G-CUBE様
内容:エッチングパーツ使用による徹底的なディティールアップ、キットで省略されていた部分の改修等
実艦簡易データ
艦種記号:LST(LandingShipTank、戦車揚陸艦)
艦番号:4153
全長:98m
全幅:14m
基準排水量:2000t
機関形式:ディーゼル
機関出力:4400馬力
最大速力:14kt(時速約26km)
乗員定数:115名
兵装:50口径3インチ連装速射砲×1
ボフォース40ミリ連装機銃×1
搭載艇:LCM(機動揚陸艇)×2
LCVP(車両人員揚陸艇)×2
昭和52年に竣工した「みうら」型輸送艦の3番艦で、同型艦の「みうら」「おじか」と共に第一輸送隊を編成、長期間に渡り作戦輸送を行う基幹戦力として横須賀に配備されていました。
艦内へは74式戦車最大10両を搭載可能、さらに甲板へ小型トラックやジープの搭載が可能で、有事には陸上自衛隊の戦力を北転させる事がその任務となっていた艦です。
それ以外にも平時では硫黄島行動と呼ばれる物資輸送、また港が壊滅状態でも海岸さえあればビーチング(艦首を直接砂浜にのし上げさせる揚陸方法)によって物資輸送が可能な事から災害派遣もその任務としていました。
兵装は艦首に3インチ連装速射砲(対空、対艦、対地支援)、後部に40ミリ機銃(対空)を備え、1クラス前の「あつみ」型に比べ砲力が強化されています(あつみ型は40ミリ機銃×2)。
↓艦首部分&艦首3インチ連装速射砲


3インチ連装速射砲は砲身を金属製のものへ交換、さらにキットでは省略されているレドームも再現して頂きました。
このレドーム、1番艦「みうら」には付いていないのでキットのままでも問題ないのですが、「おじか」「さつま」を再現しようとする場合、大きな識別点になることから無理を言って加工して頂きました。
右舷艦首に小さく赤いパーツが写っていますが、こちらは軽質油用の小型ドラム缶で、極めて小さな部品ですが無理を言って再現して頂いたものです。
また、艦首救命艇ラックから伸びるロッドアンテナも追加して頂いた部分になります。
艦首に小さなブルワークがあるのですが、キットでは実艦と違って舷側からそのまま立ち上がるのではなく、若干内側に設置されていて段差が出来てしまっていました。
なので元のブルワークを切断、形状も参考写真を元に修整して頂きました。
艦首はビーチングに必要なバウランプを収め、波切りを向上させる為のバウドアを装備。
とはいえ一般的な艦船とは違う半円形に近い艦首は造波抵抗が極めて大きく、機関出力と比較して最大速度は低めの数値となってしまいました。
↓ボフォース40ミリ機銃と艦橋構造物

キットでは銃身がブルワークからはみ出ている事、ブルワークそのものも小振りだったので思い切って一回り拡大、同時に40ミリ機銃の銃身先端部分を金属製に置き換え、ブルワークの内側に収まるよう改修して頂きました。
ダビッドに搭載されたLCVPは人員輸送を主任務とする揚陸艇で、上陸作戦を行う戦争映画で頻繁に登場しています。
港に入港中はこのLCVPを1隻降ろし、交通艇としても使用していました。
煙突左右のアンテナ、艦橋後部の旗竿から伸びる信号索も追加工作して頂いた部分です。
また、地味ながら見所としては艦橋横に設置されている乗降用ラッタルの再現があり、手摺(海自用語でハンドレール)の外側に設置されているラッタルと手摺の位置関係が判ると思います。
最大の特徴は艦橋構造物の前に設置された30tガントリー・クレーンと2隻のLCMで、このサイズの輸送(揚陸)艦でLCMを常時搭載していたのは世界的に見てもこのクラスだけでしょう。
しかし当然ながらこのガントリー・クレーンの為に重心が上昇、ローリングが激しく竣工後にビルジキールの設置を行い動揺軽減が図られています。
↓ガントリー・クレーン&LCM


キットでは省略されているLCM押さえのラッシング・ベルトを再現して頂きました。
またLCMの間に僅かに見える部分(艦橋構造物から出ている小型の甲板室)の天井部分は応急用の角材が置かれていましたので、それらも再現して頂きました。
LCMの間にあるのは車輌(戦車)甲板から直接LCMへ物資積み込みを行う為のハッチ。
ガントリー・クレーンの前にある「=□」状の物は車輌甲板の通気用ハッチで、スライドさせて換気を行います。
かつて乗艦していたこの「さつま」も2002年に除籍、後に解体されて今はその姿を完全に消してしまいました。
ピットロードから発売されたこのキットも、「みうら」型にPKO参加という艦暦がなければ難しかったかもしれず、そのくらい艦艇としては地味だった事は間違いありません。
しかしこうして手元に届いた艦を見ていると、20年近く前にこの艦で経験した事が鮮明に思い出されます。
……オチもなにもなく終わる(苦笑


海上自衛隊みうら型輸送艦「さつま」
キット:ピットロード「海上自衛隊輸送艦みうら」(コンパチキットで全艦製作可能)
製作:G-CUBE様
内容:エッチングパーツ使用による徹底的なディティールアップ、キットで省略されていた部分の改修等
実艦簡易データ
艦種記号:LST(LandingShipTank、戦車揚陸艦)
艦番号:4153
全長:98m
全幅:14m
基準排水量:2000t
機関形式:ディーゼル
機関出力:4400馬力
最大速力:14kt(時速約26km)
乗員定数:115名
兵装:50口径3インチ連装速射砲×1
ボフォース40ミリ連装機銃×1
搭載艇:LCM(機動揚陸艇)×2
LCVP(車両人員揚陸艇)×2
昭和52年に竣工した「みうら」型輸送艦の3番艦で、同型艦の「みうら」「おじか」と共に第一輸送隊を編成、長期間に渡り作戦輸送を行う基幹戦力として横須賀に配備されていました。
艦内へは74式戦車最大10両を搭載可能、さらに甲板へ小型トラックやジープの搭載が可能で、有事には陸上自衛隊の戦力を北転させる事がその任務となっていた艦です。
それ以外にも平時では硫黄島行動と呼ばれる物資輸送、また港が壊滅状態でも海岸さえあればビーチング(艦首を直接砂浜にのし上げさせる揚陸方法)によって物資輸送が可能な事から災害派遣もその任務としていました。
兵装は艦首に3インチ連装速射砲(対空、対艦、対地支援)、後部に40ミリ機銃(対空)を備え、1クラス前の「あつみ」型に比べ砲力が強化されています(あつみ型は40ミリ機銃×2)。
↓艦首部分&艦首3インチ連装速射砲


3インチ連装速射砲は砲身を金属製のものへ交換、さらにキットでは省略されているレドームも再現して頂きました。
このレドーム、1番艦「みうら」には付いていないのでキットのままでも問題ないのですが、「おじか」「さつま」を再現しようとする場合、大きな識別点になることから無理を言って加工して頂きました。
右舷艦首に小さく赤いパーツが写っていますが、こちらは軽質油用の小型ドラム缶で、極めて小さな部品ですが無理を言って再現して頂いたものです。
また、艦首救命艇ラックから伸びるロッドアンテナも追加して頂いた部分になります。
艦首に小さなブルワークがあるのですが、キットでは実艦と違って舷側からそのまま立ち上がるのではなく、若干内側に設置されていて段差が出来てしまっていました。
なので元のブルワークを切断、形状も参考写真を元に修整して頂きました。
艦首はビーチングに必要なバウランプを収め、波切りを向上させる為のバウドアを装備。
とはいえ一般的な艦船とは違う半円形に近い艦首は造波抵抗が極めて大きく、機関出力と比較して最大速度は低めの数値となってしまいました。
↓ボフォース40ミリ機銃と艦橋構造物

キットでは銃身がブルワークからはみ出ている事、ブルワークそのものも小振りだったので思い切って一回り拡大、同時に40ミリ機銃の銃身先端部分を金属製に置き換え、ブルワークの内側に収まるよう改修して頂きました。
ダビッドに搭載されたLCVPは人員輸送を主任務とする揚陸艇で、上陸作戦を行う戦争映画で頻繁に登場しています。
港に入港中はこのLCVPを1隻降ろし、交通艇としても使用していました。
煙突左右のアンテナ、艦橋後部の旗竿から伸びる信号索も追加工作して頂いた部分です。
また、地味ながら見所としては艦橋横に設置されている乗降用ラッタルの再現があり、手摺(海自用語でハンドレール)の外側に設置されているラッタルと手摺の位置関係が判ると思います。
最大の特徴は艦橋構造物の前に設置された30tガントリー・クレーンと2隻のLCMで、このサイズの輸送(揚陸)艦でLCMを常時搭載していたのは世界的に見てもこのクラスだけでしょう。
しかし当然ながらこのガントリー・クレーンの為に重心が上昇、ローリングが激しく竣工後にビルジキールの設置を行い動揺軽減が図られています。
↓ガントリー・クレーン&LCM


キットでは省略されているLCM押さえのラッシング・ベルトを再現して頂きました。
またLCMの間に僅かに見える部分(艦橋構造物から出ている小型の甲板室)の天井部分は応急用の角材が置かれていましたので、それらも再現して頂きました。
LCMの間にあるのは車輌(戦車)甲板から直接LCMへ物資積み込みを行う為のハッチ。
ガントリー・クレーンの前にある「=□」状の物は車輌甲板の通気用ハッチで、スライドさせて換気を行います。
かつて乗艦していたこの「さつま」も2002年に除籍、後に解体されて今はその姿を完全に消してしまいました。
ピットロードから発売されたこのキットも、「みうら」型にPKO参加という艦暦がなければ難しかったかもしれず、そのくらい艦艇としては地味だった事は間違いありません。
しかしこうして手元に届いた艦を見ていると、20年近く前にこの艦で経験した事が鮮明に思い出されます。
……オチもなにもなく終わる(苦笑
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No title
こんにちはー(^_^)
このこだわりのディティールは、実際に乗艦してらっしゃった方ならではのものですよね(^o^)
応急用の角材とか、勤務してらっしゃった方しか分らないですよw
紹介文の方もいつもに増して熱が入ってらっしゃる印象で、思い入れの強さが伝わってきます♪
こういう支援艦艇はいいですね、戦闘艦艇とは別種の風格がある気がします♪(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
ちなみに、艦首の3inchは射撃管制はドコで行われていたのですか?
興味がわいて調べてみたのですが、この『さつま』にも私の勤め先の機械装置がちゃんと搭載されていましたw
ちょっと嬉しかったです(^o^;)
このこだわりのディティールは、実際に乗艦してらっしゃった方ならではのものですよね(^o^)
応急用の角材とか、勤務してらっしゃった方しか分らないですよw
紹介文の方もいつもに増して熱が入ってらっしゃる印象で、思い入れの強さが伝わってきます♪
こういう支援艦艇はいいですね、戦闘艦艇とは別種の風格がある気がします♪(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
ちなみに、艦首の3inchは射撃管制はドコで行われていたのですか?
興味がわいて調べてみたのですが、この『さつま』にも私の勤め先の機械装置がちゃんと搭載されていましたw
ちょっと嬉しかったです(^o^;)
No title
MJ様
>こだわり
やはり実際に乗艦していたフネですし、可能な限り再現したかったというのが第一ですねー。
応急用角材に関しては、塗装面で地味になりがちな艦艇ですから艦首右舷の軽質油タンクと合わせてワンポイントになれば、と考えました。
>支援艦艇
戦闘艦艇だけでは戦になりませんし、自分が関わった事もあってこういった艦艇が好みになっている部分もありますねー。
>3インチ
砲の後ろにある構造物、最上部の白いドーム状の部分に射撃指揮装置があります。
実際には樹脂製の透明パーツですが、サイズがサイズなので塗装表現となっています。
>機械装置
……むぅ、なんでしょう?w
こういう部分、繋がりとは不思議なものであると同時に世間は狭いと感じますね(´∀`)
>こだわり
やはり実際に乗艦していたフネですし、可能な限り再現したかったというのが第一ですねー。
応急用角材に関しては、塗装面で地味になりがちな艦艇ですから艦首右舷の軽質油タンクと合わせてワンポイントになれば、と考えました。
>支援艦艇
戦闘艦艇だけでは戦になりませんし、自分が関わった事もあってこういった艦艇が好みになっている部分もありますねー。
>3インチ
砲の後ろにある構造物、最上部の白いドーム状の部分に射撃指揮装置があります。
実際には樹脂製の透明パーツですが、サイズがサイズなので塗装表現となっています。
>機械装置
……むぅ、なんでしょう?w
こういう部分、繋がりとは不思議なものであると同時に世間は狭いと感じますね(´∀`)
No title
こんにちはー(^o^)
なるほどなるほど、これが射撃指揮装置。。。っとφ(.. )
私、艦船用機器の営業をしていながら、からっきしフネに弱くって(酔う)ですね、
ここや砲塔みたいな艦首部に配属されたら死んでしまいそうです、いや確実に死にます(^_^;)
> 支援艦艇
ヤマト世界の高速補給艦とかも欲しいですよね(^o^)
なるほどなるほど、これが射撃指揮装置。。。っとφ(.. )
私、艦船用機器の営業をしていながら、からっきしフネに弱くって(酔う)ですね、
ここや砲塔みたいな艦首部に配属されたら死んでしまいそうです、いや確実に死にます(^_^;)
> 支援艦艇
ヤマト世界の高速補給艦とかも欲しいですよね(^o^)
おじかの応急工作でした
はじめまして。今から20年前に乗船していました。懐かしい限りです。