零戦開発に関するアレコレを少し

……十二試艦上戦闘機、つまるところ後の零戦。
この開発に関する資料って殆どが設計者の堀越技師や後の操縦者がその出所なんですよね。
だから「運用する側」の事情が殆ど反映されてない。

有名所だと、零戦が制空戦闘機だとか長距離侵攻作戦用だとかそういう前提で作られてるって部分。
でも計画は明確に「艦隊防空」だったりする。
求められたのは上昇力、速度、火力、航続時間。
航続時間を除けば後の局地戦闘機に求められた仕様とほぼ同じだし、航続時間にしても航続「距離」ではない。
航続性能が「時間」で書かれているのはあくまでも艦隊上空の空中戦闘哨戒任務に就く為に必要なものだから。
敵地上空の制空戦闘任務や侵攻作戦における援護任務に投入するならば航続距離が大事だけど、艦隊上空でぐるぐる回って警戒するのであれば距離より時間。
時間で航続性能を決めるのであれば、巡航速度は多少遅くとも問題がないから。
距離で決めるとなると、乗員の疲労度も考えなければならないので巡航速度は高速を求められる。
実際、遠距離戦闘機として開発が進められた十三試双発陸上戦闘機は零戦より40ノット以上巡航速度が高められているわけで。

で、「制空戦闘」と「防空戦闘」は全く別物で、前者はあくまでも「必要な場所の航空優勢を確保する」事が目的で、その目的を達成するための手段として敵戦闘機の排除がある。
が、後者は「味方艦隊への攻撃を防ぐ」事が主任務であって、爆弾や魚雷を落とされた時点でその目的は失敗。
この「艦隊防空」を確実に遂行する為に採用された(そして開発時に操縦者から無用の長物呼ばわりすらされた)九九式一号二十粍機銃な訳で。
つまるところ対戦闘機戦闘はあくまでも従であり、主任務は艦隊防空即ち敵攻撃機/爆撃機(四発重爆含)であるということ。

設計も複雑で量産には不向きな構造でありながら日本航空機史上最大の生産数を記録する事になってしまったけれど、本来は「艦上戦闘機」という特殊なカテゴリであるため多量生産はしない、という前提があった機体だったという事も意外と知られていない。
……原本が存在していない十二試艦上戦闘機の要求仕様書、対戦闘機戦闘に関してはなんて書かれていたんだろう。

なんとなく思ったことをつらつらと……。
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