一式陸攻

今回の更新はエフトイズ 食玩 1/144 大型機コレクションから「一式陸攻」です。
艦これにも基地航空隊の使用機として実装されており、日本海軍基地航空隊を代表する機体として知られています。
一式陸攻正面一式陸攻上面2一式陸攻上面1
双発機としては非常にスマートかつ洗練された姿を持ちます。
胴体は下のように「葉巻型」と呼ばれる形状を持ち、機首から尾部まで太い真円形となっています。
一式陸攻右側一式陸攻左側
胴体後部に描かれた日の丸の中央がハッチとなっており、搭乗する乗員は「日の丸の中央を潜る」という搭乗方法に密かな誇りを持っていたとも言われています。
一式陸攻尾部


さて一式陸攻の「陸攻」ですが、正式には「陸上攻撃機」となり略称として「陸攻」。
日本海軍における「攻撃機」とは魚雷を搭載可能な機体を表し、艦載機ではなく陸上基地から運用する為に「陸上攻撃機」となります。
一式陸攻は陸攻としては最初の成功作となった九六式陸攻の後継機として計画・開発された機体で、配備早々にマレー沖海戦において九六式陸攻と共に英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」および巡洋戦艦「リパルス」撃沈をいう戦果を挙げた事で知られています。
しかし一般的には「一撃で火を噴く」と言われ「ワンショットライター」という有り難くない渾名を持つ事でも有名です。

実際の「一式陸攻」とはどういう機体だったのか?
まず「陸攻」という機体そのものは昭和9年かそれ以前に着想されており、戦艦戦力の不利を航空戦力で補う為の手段として計画されています。
大本は九三式双発艦攻で、空母から発進する双発の大型艦攻として計画された機体が事実上空母運用適正を得られず、陸上配備になった事からスタートしました。
昭和9年の時点で双発の九試陸上攻撃機(中型攻撃機、略称中攻:後の九六式陸攻)の開発が始まり、同時に四発の大型陸上攻撃機(大攻)の開発も行われていました。
しかし四発の大型陸上攻撃機(九五式陸攻)の開発は事実上失敗、陸上攻撃機は中型双発の九六式陸攻がその主力となります。
当初は「戦闘機無用論」すら引き起こした程の高性能を持つ「九六式陸攻」でしたが、台湾から中国本土への爆撃作戦、所謂「渡洋爆撃」と呼ばれた作戦において防弾装備が皆無な事から大きな損害を被りそれまでの優秀機という評価が一転して「欠陥機」とまで呼ばれるようになってしまいました。
この「九六式陸攻」の大損害を受け、防御の改善を目的として計画されたののが一二試陸攻、後の一式陸攻となります。

最初に書いた通り、防御力が低く一撃で火を噴くワンショットライターとまで呼ばれた機体が「九六式陸攻の防御改善」を目的として開発された、という事実は些か違和感があると思います。
これは用兵側が防弾装備を強く主張したのに対し、海軍の技術者が現状の発動機では防御を重視すると性能が落ちるので空力的な洗練を加え速度を向上させる方向を主張しました。
この時用兵側の代表は大西瀧治郎大佐(当時、後海軍中将)で、大西大佐は1937年8月21日に九六式陸攻6機からなる夜間爆撃作戦に同乗、4機が中国空軍の戦闘機によって撃墜されるのをその目で見ていたが故に防御強化を強く主張したのです。
しかし技術者は「技術的に不可能」と回答するばかりで最終的に速度を以て防御力とする方針が決定、三菱への試作発注がなされる事となりました。

三菱では本庄技師を中心として設計を進め、途中でそれまでの「金星」発動機からより強力な「火星」発動機を使用する事となり、発動機出力の余裕を用いて燃料タンクの前後壁へ防弾ゴムが付される事となります。
しかし長大な航続距離の要求から後付けの防御力強化が難しいインテグラルタンク(構造部材そのものを水密構造とし、その部分を燃料タンクとして利用する方式)が採用され、被弾面積の大きな上下面が無防御となった事が後々まで一式陸攻の防御改善に影を落とす事となりました。
完成した一式陸攻は最高速度こそ440km強と九六式陸攻二一型の373kmより向上しましたが、それでも既に500kmを超えるのが当たり前となっていた戦闘機に対する優位性は望むべくもありませんでした。
それでも開戦劈頭のマレー沖海戦ではイギリス艦隊に護衛戦闘機が居なかった事もあり戦史に残る活躍を見せます。
しかし昭和17年2月にラバウル沖へ現れた米空母「レキシントン」への攻撃では全滅に近い損害を受けてしまいました(17機出撃、13機撃墜、不時着2機)。

これは低空を低速で飛ばざるを得ない雷撃においては護衛戦闘機の反復攻撃を避けられず、味方の戦闘機も皆無であった事が最大の理由ですが、それでもマレー沖海戦から僅か3カ月後でその威力が大きく殺がれてしまったのです。
しかし一式陸攻は発動機の全開高度が高く、8000mでの巡航が可能であった事もあってガダルカナル島を巡る爆撃任務では大きな損害を出していません。
実際にガダルカナル島を爆撃しに来た一式陸攻に対し、当時の米陸海軍の戦闘機は高高度性能の不足もあって満足な迎撃態勢を取る事が出来ず、迎撃に成功しても反復攻撃が難しい事から一式陸攻の撃墜は極めて困難でした。
上記の事から一式陸攻という機体は本来求められた雷撃任務時の被弾・撃墜率が極めて高く、高高度からの爆撃任務ではその高高度性能を活かし十分な生還率を確保出来たと言えます。
そんな一式陸攻の改良はそのほぼ全てが防弾防火対策との戦いと言っていいものでした。

しかし設計主務者の本庄技師は徹頭徹尾防御力強化に反対の立場を取っており、「防弾装備を施しても最初の一撃を防げる(=燃えない)だけで連射されれば結局燃えてしまう」と言い放ち、戦後になっても一式陸攻の防御強化に否定的な発言を繰り返しました。
防御が殆どない事から「日本軍の人命軽視の象徴」とまで呼ばれる事がある一式陸攻ですが、実際には用兵側が防御力の強化を主張し、官民共に技術者がそれを否定すると言う皮肉な構図が最後まで続いたのです。
一式陸攻煽り


なんか尻切れトンボだけど一式陸攻でした。
次回更新は来週末くらいに「秋津洲」もしくは「神威」の予定。

プライズフィギュア「暁」「響」

今回の更新はプライズ品のフィギュア、第六駆逐隊を編成する「暁」と「響」です。
劇場版艦これのプライズ品に使われたイラストを立体化したもので、「電」は既に発売済みですが「雷」がまだなので雷電コンビは「雷」が揃ってからの紹介になる予定。

では特Ⅲ型ネームシップの「暁」から。
PMフィギュア暁全体1PMフィギュア暁全体2PMフィギュア暁全体3
PMフィギュア暁全体4PMフィギュア暁全体5PMフィギュア暁全体6
いつもの制服にピンク色のエプロンを着け、右手で斜め上方を指し示したポーズとなっています。
全体的な造形はプライズ品という事を考えると非常に良好。
ただしゲート跡などは完全に処理されておらず目立つ部分があり、個体差だとは思いますが塗装ムラや色移りも若干あります。

顔。
PMフィギュア暁顔PMフィギュア暁Ⅲマーク
一般的な(?)イメージとは違って非常に凛々しい造形となっています。
アイプリントも綺麗で造形には文句なし、左胸付近に特Ⅲ型を示す「Ⅲ」のバッジ付き。
コスト削減の為と思われますが、肌色の部分は成形色そのままになっていますが、元の成形色が良く違和感は殆どなし。

上半身と下半身。
PMフィギュア暁上半身PMフィギュア暁下半身
元が元なので当然ぺったんこ(?)。
靴の辺りも含め艤装となるものは一切なし、基本的な塗装は非常に綺麗。


続いて「響」。
PMフィギュア響全体1PMフィギュア響全体2PMフィギュア響全体3
PMフィギュア響全体4PMフィギュア響全体5PMフィギュア響全体6
暁に対し響はお玉を持ったポーズで立体化されています。
こちらも暁と同じくプライズ品として見た場合は全体的な造形と塗装は非常に良好。
ただし髪型と成形色為にゲート跡はより目立ってしまっているのが残念なところ。

響はお玉が別パーツで差し込み式となっており、もうひとつ別パーツになっているものがあります。
PMフィギュア響おたまPMフィギュア響顔1PMフィギュア響顔2
アニメ版6話で披露した(?)鍋響状態が再現可能。
何故かお玉共々メッキ塗装がされているという力の入れっぷり。
とはいえお鍋もゲート跡が若干目立つ(画像右)のがちょっと残念なところ。

響下半身。
PMフィギュア響下半身
暁との違いは絶対領域の有無。
こちらも基本的な塗装は非常に綺麗でプライズ品としてはかなり頑張っていると思います。

暁と響。
PMフィギュア暁&響
アニメ版ベースの造詣で非常に可愛い&凛々しいものとなっています。
第六駆逐隊が好きでアニメ版のデザインもOK!という方には非常にお勧めです。

グッドスマイルカンパニー ドイツ海軍重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」

置き場所を確保できたのでグッドスマイルカンパニーの「プリンツ・オイゲン」です。
……今月最後と言いつつ2回目の更新となります。

このフィギュアは艤装パーツと本体が完全に分かれており、腰裏の艤装パーツ接続用のダボ穴を無視すれば艤装なしでも飾る事が可能です。

まずは艤装なしの全体から。
グッスマプリンツ全体艤装なし1グッスマプリンツ全体艤装なし2グッスマプリンツ全体艤装なし3グッスマプリンツ全体艤装なし4
グッスマプリンツスカートなし
スカート部分が別パーツとなっており、見ようによってはぱんつじゃないから恥ずかしくないもん同じキャラデザのストライクウィッチーズのような状態に?
とはいえ昨日の「照月」と同じくスカート下端部と股間部分のクリアランスはかなりギリギリで、後ろからだと真横からでも白いものが見えていたり……。

なお帽子は内臓のマグネットで固定されており、下の通り取り外しが自由に出来るようになっています。
グッスマプリンツ顔UP(帽子なし)グッスマプリンツ顔UP(帽子あり)

艤装パーツ。
グッスマプリンツ艤装1グッスマプリンツ艤装2グッスマプリンツ艤装3グッスマプリンツ艤装4
こちらは腰裏に接続する主砲と魚雷発射管、煙突部分のパーツ。
ボリュームは本体とほぼ同等ですが、プラスチックパーツの多用によりかなり軽量化されています。
以前紹介した「愛宕 重兵装ver」と違い、艤装を支えるパーツもありません。
全体的な形状はデフォルメされてはいるものの元ネタとなった「プリンツ・オイゲン」の砲塔形状や煙突形状、魚雷発射管を要領よく再現していると思います。

手持ち艤装。
グッスマプリンツ艤装5グッスマプリンツ艤装6
右手に持つ艤装はドイツ海軍の標準高角砲である65口径10.5cm連装高角砲。
こちらは殆どデフォルメされておらず形状再現はかなりのもの。

艤装装備状態。
グッスマプリンツ全体艤装あり1グッスマプリンツ全体艤装あり2グッスマプリンツ全体艤装あり3
グッスマプリンツ全体艤装あり4グッスマプリンツ全体艤装あり5グッスマプリンツ全体艤装あり6
グッスマプリンツ全体艤装あり7
一番下は若干煽り気味で撮影したもの。
腰から上に艦娘としての艤装が集中していて、太股にも艤装はありません。
グッスマプリンツ踵
下半身で唯一艤装が付いているのは踵の舵ですが、「照月」と違いハイヒール状ではなく踵の後ろに付く形となっています。

艤装付き上半身。
グッスマプリンツ上半身グッスマプリンツ顔UP1グッスマプリンツ艤装7
グッスマプリンツ艤装8グッスマプリンツ艤装9グッスマプリンツ艤装10
主砲は腰の両脇に付いている分が旋回及び砲身の俯仰が可能となっており、背中から伸びたアームに付いている方はそれに加えて角度変更が可能となっています。
砲身先端の砲口も再現されていて、砲身の細さと合わせて全体的に艤装の再現にかなりの力を入れていると思います。

全体としてフィギュア本体も艤装も良く出来ていて不満点もほぼありません。
……あえて言うならお値段(定価¥15556-+税)くらいでしょうか。
とはいえ最近の艦これフィギュアで同スケールだとこのあたりの価格帯が普通となりつつあり、財布へのダメージが着実に増しつつあるのが痛いところ。
なにはともあれ「プリンツ・オイゲン」、出来も良く艤装も思った程は上下左右前後共に大きくなく飾りやすくてお勧めです。

次回は来月にプライズフィギュア「暁」「響」の予定。


……そして今日模型の整理をしつつ製作依頼済みのものも含め数を確認してみました。
戦艦
金剛、比叡、榛名、霧島、長門、長門(屈曲煙突)、陸奥、大和、三笠

戦艦(海外艦)
ビスマルク、ローマ、アイオワ、ウォースパイト、フッド

正規空母
赤城、瑞鶴、大鳳

正規空母(海外艦)
サラトガ、グラーフ・ツェッペリン(予定)

軽空母
隼鷹、祥鳳、瑞鳳、千歳、千代田、龍鳳、龍驤、鳳翔、飛鷹(予定)、大鷹(予定)

水上機母艦
千歳、瑞穂、日進、秋津洲(予定)、神威(予定)

重巡洋艦
高雄、愛宕、鳥海、摩耶、鈴谷

軽巡洋艦
天龍、龍田、北上(重雷装艦)、北上(超重雷装艦)、阿武隈、川内、神通、那珂、夕張、阿賀野、大井(予定)、大淀(1943、予定)、大淀(1944、予定)

駆逐艦
神風、春風、睦月、吹雪、漣、響、春雨、霞、不知火、雪風、天津風、島風、秋月、萩、綾波(予定)、初春(予定)

海防艦
占守(予定)、国後(予定)

潜水艦(陸軍船舶含)
伊号第16潜水艦、伊号第58潜水艦、伊号第168潜水艦、伊号第401潜水艦、伊号第370潜水艦、まるゆ、

特務艦(陸軍船舶含)
間宮、間宮(1944)、伊良湖、明石、大鯨、足摺、樫野、速吸、あきつ丸

73隻+予定12隻。
…………orz

SPMフィギュア・セガプライズ「照月」

今回の更新は前回更新した「サラトガ」で書いた今月最後を変更、急遽本日届いた「照月」フィギュアです。
秋月型駆逐艦2番艦「照月」の艦娘で強力な対空火力を持ち、公式絵師による「2番艦はスケベボディ」に違わぬけしからん身体付きをしているのも特徴(?)です。

まずは全体から。
SPM照月全体1SPM照月全体2SPM照月全体3SPM照月全体4
SPM照月全体5SPM照月全体6SPM照月全体7SPM照月全体8
ポーズはゲーム内の元絵をベースにアレンジを入れた感じ。
全体的な造詣の出来は良く、塗装も塗りムラや色移りなどは殆どありませんでした(皆無ではない)。
右足を曲げたポーズで左足のみの固定となっており、安定はしていますが夏場の変形が些か不安ではあります。

頭部UP。
SPM照月顔UPSPM照月ペンネント
顔の造詣も悪くないのですが、笑顔というより不安顔という印象がありますが、これは口の形状によるものでしょうか……。
頭部の「(隊)逐躯一十六第」が書かれているのは本来水兵帽に巻く「ペンネント」を模したものです。
駆逐隊番号が書かれていたのは平時で、戦時下では防諜の為「大日本帝国海軍」で統一されていました。

上半身。
SPM照月上半身1SPM照月上半身2SPM照月上半身3
「スケベボディ」と言われるだけあって立派な胸部装甲を持っています。
腹部のパーツ形状によって左右の胸がより強調される形をなっているのが判ります。

下半身。
SPM照月下半身1SPM照月下半身2
かなりのミニスカートですが中身は見えず。
かかと部分が舵になっていますが、異常なハイヒールになっていて陸上を歩き回るのはかなり不便そう。

艤装1。
SPM照月艤装1SPM照月艤装2SPM照月艤装3
主兵装である九八式10cm連装高角砲(長10cm連装高角砲)は元絵の通り左側に設置された砲は10cm砲弾を咥えた状態。
背中に背負った魚雷発射管は九二式61cm四連装発射管。

艤装2。
SPM照月艤装4SPM照月艤装5SPM照月艤装6
太股に付けた円形の弾倉から左右の艤装パーツへ弾帯が伸びています。
前から見た時は鉄壁のスカートでしたが、後ろからはスカート下端とぱんつのクリアランスが殆どなくちょっと下からのアングルになると見えてしまっています。
なお日本海軍が新規開発した高角砲・機銃は弾倉使用もしくは1発ずつ装填架に乗せて機力装填する半自動装填装置を採用しており、「照月」の艤装にあるような弾帯を使用するタイプはありませんでした。

艤装3。
SPM照月艤装7SPM照月艤装8
長10cm連装砲ちゃんは画像の通り取り外す事も出来、砲身は左右独立可動、首の部分も左右に旋回させる事が可能です。

全体としての造詣は非常に良いのですが、やはり表情にちょっとした違和感が残るところが個人的にネックでしょうか。
それでもアマゾン等で2000円以下で購入可能であることを考えれば非常にコストパフォーマンスに優れた製品であると思います。
「照月」が好きな方にはお勧めです。

次回はマックスファクトリーの「プリンツ・オイゲン」、もしくはアニメ版「暁」&「響」の予定。

レキシントン級航空母艦「サラトガ」

ブログ主は過去に熱射病でぶっ倒れて後遺症が残った為に自力制作はガンプラパチ組みレベルが限界で、保有しているキットはオークションで落札、或いは制作代行依頼を出して作って頂いたものとなりますことを予めお断りさせて頂きます。

今回の更新は艦これ2016年秋イベント『発令!「艦隊作戦第三法」』最終海域突破報酬として実装されたアメリカ海軍レキシントン級航空母艦2番艦「サラトガ」です。
レキシントン級航空母艦はワシントン軍縮条約に伴う主力艦保有制限を受け、同条約で規定された「主力艦ないし巡洋戦艦を改装した航空母艦」として建造中のレキシントン級巡洋戦艦を改装した航空母艦です。
「サラトガ」はレキシントン級巡洋戦艦3番艦として建造中でしたが、工程28%のところで航空母艦への改装が決定、アメリカ海軍初の大型正規空母として1927年11月16日に竣工しました。
元が大型高速の巡洋戦艦だっただけに、基準排水量33000トン(公表値、実際には36000トン)、全長270.7m、最大幅32.3m、機関出力180000馬力、最大速力33ノット強、搭載機最大120機という性能を持つ航空母艦となっています。
今回の「サラトガ」は改装を重ねた1945年2月末頃、硫黄島攻略作戦に参加した際の姿を再現したものとなります。

まずは全体。
サラトガ全体1サラトガ全体2
サラトガ全体3サラトガ全体4
270mという「アイオワ」級戦艦に匹敵する全長を持ち、最大幅もほぼ同等かつこの時期には度重なる改装により満載排水量が5万トンを超えていました。
しかしながら全長270mに対し全幅33m弱でL/B比で8.2/1という細長い船体の為に鈍重さは感じられません。

サラトガ艦首。
サラトガ艦首サラトガ艦首飛行甲板
艦首は飛行甲板部分までを包む「エンクローズド・バウ(ハリケーン・バウ)」を採用しており、これは日本海軍が後に「大鳳」で採用した型式となります。
艦首飛行甲板は就役当初は船体に合わせて窄まった形状でしたが、1941年前半に拡張工事を行い、写真にあるような矩形となっています。

サラトガ艦尾。
サラトガ艦尾サラトガ艦尾対空兵装サラトガ艦尾飛行甲板
艦尾飛行甲板両側の4連装機銃(連装機銃2基を一つの架台に纏めた型式)はBofors40mm四連装機銃、大型の単装砲は5インチ(12.7センチ)高角砲、小型の単装機銃はエリコン20mm機銃です。
等間隔で10本以上の着艦制動装置が取り付けられているのが判ります。

サラトガの航空機用エレベーター。
サラトガ前部エレベーターサラトガ後部エレベーター
白枠で書かれた部分がエレベーター、に見えますがこれは単なる白線塗装で、その後ろにあるT字型の部分が前部エレベーターとなっています。
この前部エレベーター、T字の横棒部分のみが昇降し縦棒部分は下方向への観音開きという変わった型式となっています。
後部エレベーターは煙突後端部の横にありますが、最大荷重重量が3トン程しかなく、大きさも極めて小型の為大戦後半にはまともに運用出来る艦載機がありませんでした(主翼を折り畳み燃料弾薬を搭載しないF4F戦闘機が限界)。

サラトガ艦橋(左舷側)。
サラトガ艦橋1サラトガ艦橋2サラトガ艦橋3
この模型で一番の見どころはやはり艦橋構造と煙突でしょうか。
比較的小型の艦橋構造は煙突と分離して設置されており、アメリカ海軍の正規空母としては珍しい構造となっています。
艦橋前には就役当初55口径8インチ(20.3センチ)連装砲2基を装備していましたが、1942年1月に伊号第六潜水艦から受けた雷撃による損傷復旧工事の際に写真にある38口径5インチ(12.7センチ)連装両用砲への換装を実施、対空火力を強化しました。

サラトガ艦橋(右舷側)。
サラトガ右舷艦橋1サラトガ右舷艦橋2サラトガ右舷艦橋3
煙突後部の38口径5インチ連装両用砲も前部の2基と同じく55口径8インチ連装砲を換装したものです。
右舷側の特徴として、左舷側にはない船腹部分の張り出しがありますが、これは上にも書いた1942年の損傷復旧工事の際に右舷側にのみ取り付けられたブリスターと呼ばれるもので、右舷に偏重した重量増加分を相殺する浮力保持等の為に設けられました。
艦橋上部に設置された射撃指揮装置には射撃用レーダーが装備されており、メインマスト上部の対空レーダー、煙突前端に取り付けられた対水上レーダーと合わせてアメリカ海軍の電測兵装の充実ぶりが判ります。

サラトガ煙突。
サラトガ煙突1サラトガ煙突2
サラトガ煙突3サラトガ煙突4
「まるでガスタンクのようだ」とも言われた「サラトガ」の大型煙突ですが、これは巡洋戦艦として180000馬力を発生させる為に必要な大量のボイラー(16基)からの排煙を一纏めにした結果で、外見上の大きな特徴の一つとなっています。

「サラトガ」は「レキシントン」と共に「レディ・レックスとシスター・サラ」と呼ばれ、戦前のアメリカ海軍の航空母艦を代表する知名度の高い艦でした。
これは日本海軍の「赤城」や「加賀」と同様で、当時の主力艦である戦艦と並ぶ大型艦であり、その優美な姿と相まって「艦隊の顔」となっています。
またレキシントン級はアメリカ海軍内部で「空母の女王」とも呼ばれていましたが、これはその強大な航空機運用能力を褒めただけではなく、非常に高価な事(建造&改装費用は軍縮条約時の最新鋭戦艦コロラド級の倍以上)を揶揄したものとも言われています。
実際に戦艦では1941年の「ノースカロライナ」級、空母では1943年の「エセックス」級までこの建造費用の記録は破られていません。

「サラトガ」は1941年12月の開戦より程ない1942年1月に伊号第六潜水艦の雷撃により損傷、同年5月までを修理に費やしています。
損傷復旧後は急ぎハワイに回航されましたがミッドウェー海戦には間に合わず、ソロモン諸島ガダルカナルを巡る戦いに参加する事となりました。
1942年8月には第二次ソロモン海戦に参加、「サラトガ」を発進した攻撃隊は日本海軍の小型空母「龍驤」を攻撃、同艦を撃沈しています。
しかしこの海戦で僚艦「エンタープライズ」が撃破され、海戦直後の8月31日には「サラトガ」もまた伊号第二十六潜水艦の雷撃を受け電気系統を破損(英海軍の技術者曰く「複雑怪奇」な代物)、行動不能となって重巡洋艦「ミネアポリス」に曳航されトンガタブ島へ退避する事となりました。
なお余談ですがこの魚雷命中の際、艦内で「やった!これで(母国の)海軍工廠へ帰れるぞ!」と叫んだ不届き者がいたとかなんとか。
トンガタブでの応急修理の後、10ノットの速度が出せるようになって真珠湾へ後退、修理を行いました。
修理を終えた「サラトガ」は再び南太平洋へ出撃するも空母同士の海戦に参加する機会はなく、1944年6月のマリアナ沖海戦時には本土で整備に当たっており、同海戦にも参加する事はありませんでした。
同年9月より軽空母「インディペンデンス」と共に夜間戦闘機隊の訓練に従事、「インディペンデンス」が小型の為夜間発着が困難である事から硫黄島攻略戦には「サラトガ」が参加する事となります。
硫黄島攻略作戦に先立ち、「サラトガ」は1945年2月16日と17日の二日間に渡って日本本土への空襲を実施しました。
しかし2月21日、日本海軍第二御盾隊による特攻攻撃を受け大破、本土へ帰投し修理と共に練習空母への改装を受けることとなります。
1945年5月には修理を完了、真珠湾へ回航の後航空隊の訓練に従事した「サラトガ」でしたが8月15日の日本降伏に伴い9月6日に訓練を中止、アメリカ本土へ戻る兵員を輸送する任務に当たりました。

復員輸送が終わった後、そのまま練習空母として運用する計画もありましたが旧式である事と大型の艦隊型正規空母であるエセックス級が多数就役していた事もあり退役が決定。
1946年に原爆実験である「クロスロード作戦」で標的艦として使用される事となり、空中爆発のABLE実験では軽微な損傷で済んだものの海中爆発であるBAKER実験が致命傷となり爆発から7時間後に沈没、ビキニ環礁の海底へとその姿を消しました。

今月の更新はこれでお終いとなります。
来月は月末近くに飛行艇母艦「秋津州」と給油艦(水上機母艦)「神威」を入手予定。
それ以前の更新は入手したフィギュア等を行う予定です。
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